川の流れは

大橋彦左衛門氏に捧ぐ

Words and Music by Morihiro
From Album “Teenage Dreams” (Released in 2000)
Synthesizer Programming with Roland XP-10 by Morihiro
Vocal by Morihiro

行く川の 流れは絶へず
飛ぶ鳥の 行方も知れず
かくのごと 時は移ろひ
ひときれの 形見さへなし

めくるめく 季節あやなす
うつくしき 花の命も
はじけ散る うたかたのごと
おほしくも いとはかなし

移ろひ行くべきものたちよ
一日一日を満ち満ちて
切に生きなむ 命たぎらせ
燃ゆる想ひのままに

草枕 旅にしあれば
故郷ぞ いよしのばるる
然れども 道なほ遠く
帰り得る 時さへ知れず

あかねさす 君が笑まひし
うるはしき あの面影よ
いにしへの 恋歌のごと
灯火に かがよふなり

されどただ君がために祈らむ
「とこしへに うつくしかれ」と
語り尽くせぬ 想ひをこめて
あかき心のままに

移ろひ行くべきものたちよ
一日一日を満ち満ちて
切に生きなむ 命たぎらせ
燃ゆる想ひのままに

この曲の着想をくれたのは、神戸三宮のスペイン料理店「カルメン」のオーナーであった大橋彦左衛門氏の長編小説「虹の巡礼」だった。明日香、斑鳩、奈良を舞台に、有限の生命を精一杯生きることをテーマにしたこの小説から着想を得て、この曲を聞いて頂いたときに「高橋虫麻呂を思わせる名曲ですね」という感想を頂いたことがとても嬉しかった。